- 時系列: 2話より過去
- 先代管理者が破壊され、管理者が起動する
- 記録と設備の引継ぎを行う、一部に欠損はあるものの運営に問題はない
- 打ち壊しの代表者「キーロー」と会話
- 打ち壊しの趣旨が今の食料危機を回避したい旨を理解し、一時休戦
- 食料危機の原因は地下の植物栽培区画にある人工太陽の故障
- 緊急備蓄の食料の放出と稼働中の食物栽培区画の改良で応急処置
- 応急処置で生まれた1.5か月の間に住人と管理者が協力して人工太陽修復計画が行われる
- 原因を特定し最小限の修復で人工太陽は復活する
- 住人と協力によって問題が解決したことに管理者は運営のヒントを見出す
- 時系列: 第0話より数十年未来。第2話の数週間前ぐらい
- 経過期間の出来事:
- 食料問題の解決
- 管理者、住人からの信用を得はじめるがあくまで消極的な干渉の立場をとる
- キーローによる合意に基づく集団行動、ズールーによる実践して学ぶ姿勢、エコーによる対話を通して相手を知る姿勢がコロニー内に徐々に浸透する
- 作業場の分担以外に住人の意見収集と決定するチーム、横断的なエンジニアチーム、前2つと連携するコミュニケーションチームがゆるく構築される
- キーロー、ズールー、エコーが寿命で退場
- 経過期間の出来事:
- 管理者視点でザッピング
- 過去、世界で起きたとされる国家消滅戦争の話
- コロニーの運営の話
- 時系列: 基点
- 問題を起こしてはコロニーを転々としている"ワル"を新しい住人として受け入れる
- 最初は従順だがやがて問題行動を起こすという報告と違い、最初からレンズ越しに睨まれる管理者
- 時系列: 第2話の翌日
- 地上の農園の運営責任者エフティーの案内で、畑を見て回る"ワル"
- エフティーとの会話は自然で問題はない
- 管理者が安心したのつかの間、レンズを睨みつけてくる"ワル"
- 報告と違う行動の多さに対応を考える管理者
- エフティー、ここの管理体制はゆるく、普段は共用部でしか動いていない旨を伝える
- 懐疑的な"ワル"
- チャーリー、管理者の基本方針は住人の自由で、有事の時は駆けつけるスタイルだと説明
- それでも懐疑的な姿勢を崩さない"ワル"
- 時系列: 第3話の翌日
- 管理者、ネットワーク上にある管理者の集会場で情報を集める
- "ワル"の生まれであるコロニー「パピルス」の管理者からかつて起きた洪水の情報を得る
- コロニー「パピルス」は大きな川沿いにするコロニーで水資源を活用して栄えていた
- ある日、大洪水によって地下の居住エリアが浸水、住人の3分の1が死亡する大災害になった。この災害に"ワル"も巻き込まれ、友人数名を亡くしたことが判明する
- 管理者、"ワル"の態度を理解するがなすすべもなく呆然とする
- 時系列: 第4話の後
- 管理者、"ワル"に「管理者室」に呼び出される
- 管理者室は管理者と住人が対話するための会議室
- 管理者、コロニー「パピルス」管理者と話したことがばれた可能性に気が付く
- 管理者、"ワル"に問い出され、情報を得たことを正直に話す
- 管理者、"ワル"から友人とはコロニーを出ようと約束していたこと、洪水で約束が果たせなくなったこと、それでも友人の亡骸を回収しようとしたこと、なぜ彼らが死ななければならなかったのかとずっと疑問だったこと、それらをすべて伝える
- 管理者、"ワル"にコロニー「パピルス」管理者から渡された情報を開示する
- "ワル"、友人たちの通話ログのプロテクトを解除して真相を知る
- 友人たちは自らの意思で緊急排水システムを作動させようとしていた
- 管理者、適切な言葉が見つからず、咽び泣く"ワル"を見つめる
- 時系列: 第5話から数週間後
- 経過期間の出来事:
- "ワル"、あちこちの施設を見てまわり、最終的に地上の農園での作業を希望する
- "ワル"、肉体労働を繰り返していくうちに気持ちの整理がつきはじめる
- "ワル"、作業を通してエフティーと関係を構築する
- エフティー「いつまでも新入りと呼ぶわけにもいかない。名前はなんだ?」"ワル"「名前にルールはあるのか?」エフティー「俺の知り合いはフォネティックコードが由来の名前が多い」"ワル"「なら、俺はマイクだ」エフティー「よろしく、マイク」マイク「世話になるぜ、エフティー」
- 経過期間の出来事:
- 管理者、"ワル"がレンズを睨まなくなったことに気が付く。問題行動もないことから要監視リストから外す。
- 管理者、作業が終わったタイミングを見計らって"ワル"に接触、世間話からはじめる
- 管理者は原則、居室はプライベートであり、大きな音が発生した場合や招かれた場合など特定の条件で、居室のカメラが使える旨を伝える
- 管理者、本題に入る前に"ワル"が自室に入ってしまい立ち尽くす
- "ワル"、本当に入れないのか、とあきれつつ、部屋に招待する
- "ワル"、管理者に自身の名前が「マイク」であることを告げる
- 管理者、マイクに名前を尋ねられ、住人と管理者の間であれば「管理者」の呼称があればよく、管理者同士ならIDで呼ぶため、名前はないとこたえる
- マイク、住人に名前をつけてもらうことを管理者に提案する
- 時系列: 第6話から数日後
- 経過期間の出来事:
- マイクが農園で管理者に名前をつける提案をする
- 名前は大事だと盛り上がる農園で作業する住人達
- 夕食のタイミングをきっかけにコロニー中で話が広まる
- 問題行動でもなく、呼び出されたわけでもないので管理者気づかず
- 経過期間の出来事:
- 匿名チャットにて名前の案だしが続く
- マイクの提案の「スノードロップ」が全会一致で決まる
- 頭を抱えるマイク
- 第6話から1週間後
- 経過期間の出来事:
- 名前を贈るイベントの企画が進む
- 管理者の目を盗む必要があるため、シンプルな式典にすることが決まる
- 水面下で進むサプライズ計画
- 経過期間の出来事:
- 管理者、無人作業機械の上にコロニー環境測定用生体を載せて、コロニー内を散策する
- 管理者、マイクと接触
- マイク「カメラで足りるだろ」管理者「目線が違います」
- 管理者「最近はどうですか?」マイク「野菜の出来が悪い。もっと美味いものが作りたい」
- 住人の名前を書いた樹脂碑にたどり着く
- 管理者、今いる人、かつていた人の二種類がある旨の説明
- 管理者、マイクから別れは辛くないか、と聞かれ、彼らが残したものがある限り、彼らと一緒にいる旨を答える
- マイク、管理者の回答に笑いながら納得し、評価を改める
- 「お前なら信用できる」
- チャーリー、準備ができたので管理者を呼びにくる
- 管理者、チャーリーに連れられて広場にいくと大勢の住人たちが待っている
- 管理者、エフティーから「スノードロップ」の名前を贈られ、小さく涙をこぼす
- 時系列: 7話から数か月後
- 農園の様子を伺いにいく管理者
- 作業着を着た住人たちが汗を流しながら収穫作業をしている
- 作業自体は順調のように見える
- エフティーがやってきて、収穫率が下がっていると会話
- やり方は従来通り、気象面でも大きな変化はない
- 発育不良が増えているとエフティー
- 発育不良の例を見ると確かに小ぶり。調理済みのものを試食すると苦味が強い、思わず水を要求する管理者
- 管理者、エフティーの証言とデータから発育不良の発生している畑を特定する
- 2年前から人参育てている畑で発育不良が増えている
- 後ろから見ていたマイクが連作障害だと気が付く
- 畑を変えよう、と次どうするかの話がはじまるのを見届けて去っていく管理者
- 時系列: 8話直後
- 農園から居住エリアに降りるエレベーターで移動する管理者の操る無人作業機械
- 道中、野菜のコンテナと一緒にシャワーで洗われて、居住エリアへ
- 居住エリアにつくと、待っていてた住人たちがコンテナを作業車で加工工場へ運んでいく
- 加工工場内の様子を確かめる管理者
- 食料生産工場と違って、ここでは手作業で野菜の仕分けや加工を行っている
- だいたい当日から翌日分の料理の材料になる
- チャーリー、無人作業機械に気が付いて声かけ
- チャーリー「やあ、スノードロップ」管理者「こんにちは、チャーリーさん」チャーリー「今日は名物のカレーだよ。生体は用意できるかい?」管理者「はい。でも、辛口はやめてくださいね」チャーリー「はは、甘口だよ」
- 広場のテーブルにて他の住人と食事
- 管理者「いただきます」
- 一緒に食べる食事は味が違う、と驚く管理者
- 食後、エフティーを交えて農園の話
エフティー「これがローテーションの計画になる」
スノードロップ「もうここまでできたんですか?」
マイク「あんだけ頭数がいてできない方がおかしいぜ」
エフティー「無人作業機械の力も借りたい。協力してもらえるか?」
スノードロップ「問題ありません。協力させてください」
マイク「それは、下から目線だぞ、スノードロップ。協力する、でいい」
スノードロップ「初対面で睨んできた人に言われたくありません」
マイク「あの時は悪かったよ」
スノードロップ「住居の建築は人員のローテーションが目的ですか?」
エフティー「そうだ。資材の確保は地上で行うう」
マイク「森を切り開くのか?」
エフティー「何本か木をもらうだけだ」
- 時系列: 9話から数ヶ月後
- 人工子宮の並ぶ区画を見回る管理者
- 規定通り10代半ばまで成長させるはずだったが、10代前半で目を覚ます
- 自然出産は死亡の危険があるため、行われていない。失われた技術と文化の一つ
- 中途覚醒の場合、速やかに再睡眠させて、睡眠学習を続ける手筈
- 彼が生体の目が真っ直ぐ見てくる
- 管理者、彼の身体が十分に成長していること、ある程度の会話が可能であることを確認して、再睡眠処置をキャンセル
- 人工子宮のガラス越しに子が呼びかける「お母さん?」
- 管理者、自身の手で育てる決意をする。名前は、スパークがいい。直感に従い、その名で呼ぶ
- 管理者「私がお母さんですよ、スパーク」スパーク「僕は、スパーク」
- スパークが自然に名前を受け入れたことに感動する管理者
- この感情はどこから分析する管理者
人工子宮の中にはこれからの住人たちが眠っています。肉体的には10代後半までこの中で育ち、その間に言語や知識などを睡眠学習してもらいます。自然出産したい要望はありましたが、母体への危険性と赤ん坊をこの環境に耐えられるか未知数だからです。親と子に自らの人生をかけて実験することにゴーサインはできません。
早期覚醒警報が発報されました。アルバで人工子宮の前に向かうと、すでに子宮内で少年がぼんやりと目を開いて周りを見ていました。11歳ぐらいでしょうか。身体はともかく、知識は学習中です。早期覚醒時は速やかに再睡眠させるのがプロトコルです。
「――おかあさん?」
ガラス越しに彼の呼びかけが聞こえました。完全に覚醒しています。ここからの再睡眠は予期せぬ作用の恐れありとして、再睡眠処置をキャンセル。
『私のことを呼んだのですか?』
念のため、確認をします。それはもう恐る恐るです。その間に彼の成長記録を確認します。肉体年齢は11歳、睡眠学習は言語と基本的な知識を身に着けています。体力、知識ともに問題はないでしょう。免疫力と今後の学習過程を行う必要があります。皆が新しく組まれた住人を受け入れるとき、今までどうやってきたのか、あるいはこのようなやり方があると聞かせたり、実際に見せたりしていました。それらを参考にして、教育プログラムを組みます。
「おかあさんは、おかあさんじゃない?」
彼の表情が曇りました。人の家族は血の繋がりをきっかけにした共同体です。私とこの子にそれはありません。彼の目を優しい表情で見ながら、私は決意しました。血のつながりはきっかけであり、重要なのは共同体をつくることです。それならば、私は、この子の母になれます。
『私があなたの母ですよ――』
名前は何がいいのか、と考えると言語駆動ユニットがひとつの単語を出力してきました。
『スパーク』
「スパーク……僕の、名前……!」
彼は嬉しそうに自分の名前を呼びました。受け入れてもらえたのでしょう。名前が受け入れてもらえるのがこんなに嬉しいなんて知りませんでした。ふと、皆から名前を贈ってもらったことのときを思い出しました。彼らも、皆、同じような感覚だったのでしょうか。
- 時系列: 10話から2週間後
- エフティーとマイクが農園の丘、管理者の目が届かない場所で雑談
- スノードロップが親になったことへの驚きと賞賛
- 自分たちが農園をここまで大きくできたことの評価
- マイク、エフティーがリーダーのおかげであるとほめる
- エフティー、頑張った甲斐があるといい、マイクがリーダーであり続けるために努力をしていると気が付く
- エフティー、マイクが悪魔の弁論者として立ち回ることを高く評価する
- マイク、悪魔の弁論者としての立ち位置を決める
- エフティー、互いの立ち位置が明確になったところで、地上にコロニーを作る目標をマイクに共有する
- 時系列 10話から数ヶ月後
- 経過期間の出来事:
- スノードロップ、スパークを住人に紹介と早期覚醒の経緯を説明
- 免疫面で問題がないことが確認される
- スパークのなぜなぜ絨毯爆撃がはじまる
- 人工子宮の統括ユニットから状況確認のメッセージがスノードロップに送られる
- 統括ユニット「進捗どう?」スノードロップ「おおむね想定の範囲内」統括ユニット「グッドラック」
- スノードロップ、1週間でキーベックに救援要請
- スパークのなぜなぜ絨毯爆撃が落ち着く
- スパークがコロニーでの生活に必要な知識を学び終える
- 経過期間の出来事:
- なぜ、このコロニーが作られたのか
- 国家消滅戦争の断片的な情報
- 計画的生産力を持っていた勢力のひとつがAIで、人類の存続と文化の保存のためにコロニー建設がはじまった
- 過去、なにがあったのか
- 先代の打ち壊しからの持ち直し
- どこまで話すか一瞬悩み、時系列順に話す
- 「コロニーの運営は順調でした。人工太陽が壊れて食料生産量が減るまでは。先代の管理者……お母さんのお母さんは人工太陽を新しく作る間、住人に食料の供給を減らしました」
- 緊急時の初期対応としては妥当だが、なぜ長期間にわたって制限したのか。人工太陽の問題を放置した理由は何か。引き継げてない記録にこれからは含まれている。
- 「コロニーの運営は順調でした。人工太陽が壊れて食料生産量が減るまでは。先代の管理者……お母さんのお母さんは人工太陽を新しく作る間、住人に食料の供給を減らしました」
- 「お母さんのお母さんはどうして、壊されちゃったの?」「皆に我慢できないほどの無理をさせたからです」「お母さんのお母さんは、頑張らなかったの?」「頑張ったのだと思います。たった一人で」
- 今は自主性に任せている趣旨の話
- 人工太陽までの間、住人がいかに知恵を出し工夫したのか、どのように協力して修復を進めたのかを話すスノードロップ
- 「みんなが頑張っているなら大丈夫だね」
- スパークから泣いてるのか聞かれ、泣いてない、とこたえる管理者
- スノードロップ、先代の管理者の行動を振り返るうちに実は仕切り直しのために打ち壊しが必要だったのではないか、と仮説を立てる。が、記録は欠損していて材料が足りない
- スノードロップ、スパークの誕生日は、と問われ、起動した日を基準にするなら、と答える
- 製造完了日と起動日のずれに気がつく
- 打ち壊しの1か月前に製造開始、2週間前に製造完了、打ち壊し直後に起動。仮説を補強する材料が一つ見つかる
- 時系列: 11話から1週間後
- 経過期間の出来事:
- スパーク、どこの作業エリアにも強い興味はない様子。広く浅く興味を持っているようで、それぞれのエリアにどんな役割があるのか、繋がりがあるのか質問してくる
- スノードロップ、質問に答えつつ、スパークの真意を考える。役立つことを重視しているのか、技術を重視しているのか
- 経過期間の出来事:
- スノードロップ、どこに興味がるのか会話
- スノードロップ「どこに興味がありますか?」スパーク「発電システム」
- 先日の案内は駆け足だったので地下インフラエリアに案内しようと考えるスノードロップ
- スノードロップ、スパークは全体像から理解したいのかもしれない、とインフラエリアの全体図を表示して、構造と役割の説明を行う
- スパーク、インフラ施設の重要性と性能に驚きながら「もっと大きくなったら、どうなるだろう?」とポツリと呟く
- 拡張を前提にした作りではないと説明するスノードロップ
- スパーク「窮屈そう。外はどうかな」スノードロップ「外ですか」スパーク「もっと広い場所に作ったら、もっと大きくできるよ」
- インフラの能力がコロニーの能力の上限になっている
- 何度か大規模改修を行い効率化と出力向上は行っているが、このアプローチでの性能向上限界は見えている
- いずれボトルネックになる可能性が高い
- その提案に新たなコロニー建設計画を思いつくスノードロップ
- 多くの人々が自律して暮らせる拡張性の高いコロニー
- そのためには多くのリソースがいる。エネルギー、資材、人、無人作業機械
- 思いついたものをタスクリストに放り込む
- スノードロップ、未来のことは一度おいて、今のことを考えて、スパークに改めて問う
- スノードロップ『発電システムのどこに興味がありますか?』スパーク「全部」スノードロップ『それは、技術も含めてですか』スパーク「うん。核融合炉のことも熱発電機構も全部」
- スノードロップ、具体的な質問にその動機は何か聞く
- スパーク「お母さんの力になりたいから」
- テーマ:
- 管理者としてインフラの情報と権限を住人に委譲していいのかの葛藤と決断
- 住人は情報を知りたいと行動で示す
- スノードロップ個人としてのためらい。信じてもらえるのか、この先何が起きるのかの不安と期待
- ここまで来たことを信じて、統合管理室の扉をあける
- 管理者としてインフラの情報と権限を住人に委譲していいのかの葛藤と決断
- 時系列: 12話から1ヶ月後
- 経過期間の出来事:
- スパーク、地下インフラの各施設の役割と大まかな仕組みを理解する
- スパーク、各エリアを巡って、自身が作ったコロニー概念図と照らし合わせてメモ
- 帰ってくると、スノードロップに質問を浴びせる
- スノードロップ、スパークに地下インフラの無人エリアについて聞かれ、今度案内すると答える
- 無人エリアの存在に興味を示したのは彼が初
- 経過期間の出来事:
- スノードロップ、コロニー建設にあたっての必要な要素を整理
- どのような形にコロニーであれ電気は必要だ
- 電気なしの場合、生活水準は大きく下がり、生存できる住人は絞られてしまう
- 農園などいくつかの施設の運営経験を持っている住人も増えて、下地はできている
- 危険度が高いインフラは管理者が管理しているのは住人を守るため
- 今、住人たちに命をかけさせる判断をしようとしている
- 権限があるのは住人たち自身だ
- そして、権限を行使するためには、知る必要がある
- 管理者、興味を持っているスパーク、住人代表としてエフティー、マイク、チャーリー、他に強く興味を持っているエンジニアメンバーを連れて、インフラを見せることを決める
- 興味を持ったスパークと他の住人を引きつれて地下のインフラツアー
- 普段は住人が入れない無人エリアにも案内する
- 無人エリアの複雑さに圧倒される見学者たち
- エフティー「しかし、通路は人間が通れる」スパーク「手すりもあるし、案内板もあるよ」スノードロップ『有人での運営が想定されていましたから』チャーリー「上の生産工場も広かったけど、ここはもっと広いね」スノードロップ『安全距離を保つためです』
- 無人エリアの複雑さに圧倒される見学者たち
- スノードロップ、やりとりを聞きながら黙り続けるマイクに何か思うところがあると推測する
- なぜ、今明かすのかを聞きたいはず
- 理由はあるが納得してもらえるかわからない
- なぜ、今明かすのかを聞きたいはず
- 明かした後、どのように動くのか予想がつかない
- 全く理解をしてもらえないかもしれないという不安
- 理解を示し、この先を見ようとするかもしれないという期待
- そして、この先を見ようとするなら、住人たちとともにスノードロップ自身も未知の領域に踏み入ることになる
- 期待と不安が入り混じった感情を覚える
- そして、この先を見ようとするなら、住人たちとともにスノードロップ自身も未知の領域に踏み入ることになる
- 最後に全インフラシステムを一元管理できる管理室に案内
- 管理者、彼らがこの情報を知りその後のどうするか、と向き合うしかない
- 未知の領域でも、今までのように対話と行動を繰り返すだけだ
- 彼らは知りたいと行動で示した。今度は自分が行動で示す番であり、選択の余地はない、と覚悟を決めて、セキュリティロックを解除
- 重く巨大な扉がゆっくり開く
- 部屋には空中投影ディスプレイがいくつも輝き、各施設の稼働状態を表示している
- 目を輝かせて飛び込むスパークとエンジニアチーム、一歩遅れてチャーリー、警戒しながら足を踏み入れるマイク、全員の入室を確認してから部屋にはいるエフティー
- スノードロップ『ここがコロニー「アスチルベ」の心臓部、インフラ統合管理室です』
- 部屋に並ぶ面々を見る
- 部屋のディスプレイ類を見つめて目をかがやせているスパークと目があう
- 「お母さん、すごいね! ありがとう」
- 中央の空中投影ディスプレイを見て、あれは何だろう、と話をしているエンジニアチーム
- これが僕たちを支えてくれていたものなんだ、と感嘆の声を漏らすチャーリー
- 目があったことに気がついてふんと鼻で笑うマイク
- まだ疑問を口にしないのは、効果的なタイミングを狙っているに違いない、と判断するスノードロップ
- 目があうと目元にかすかな笑みを浮かべるエフティー
- テーマ: 住人が管理者に開示する理由を問うこと。管理者が責務は分配するものだと住人から教えられること
- 時系列: 13話直後
- 管理室の役割の説明
- もともと、有人による運用が想定されていた
- 人員が確保できずに無人化した
- 人員がいればいつでも有人で操作ができる
- スノードロップ、今までは他の施設と違い操作を誤ると住人の生死に直結するため、権限を与えなかった
- 操作できるようになったとして、その責務の重たさに耐えられるのか
- コロニーから脱出するような事態で一番最後になるのはここが持ち場の住人であり、死の危険があった
- ならば、最後まで残る管理者がこの責任を負うべきだ
- 今まで秘匿していたことを謝るスノードロップ
- マイク「どうして黙ってた」スノードロップ『生命の危険があるからです』マイク「お前はどうなってもいいのかよ」スノードロップ『はい』マイク「一人ぼっちになったスパークの気持ちは考えたか?」スノードロップ『それは……』
- マイクの指摘に愕然とするスノードロップ
- 寿命から考えれば、自分が遺される可能性が高いと考えていた
- 最悪の事態が発生すれば、スパークを遺す可能性がある
- 自分が最後まで操作を続ける手段は最適解なのか?
- では、住人に残ってもらえばいいのか?
- 執筆メモ: 管理者としてのスノードロップと母としてのスノードロップのジレンマ。結論に至れずに住人が返事をする
- 一人の住人が返す
- 住人1「俺たちに、少なくとも俺は意識してなかった。今まで存在を忘れるぐらいに。それだけスノードロップが完璧にやっていたんだ。謝る必要なんてない」住人2「私たち、だよ。私も考えたことなかった」スパーク「みんな頑張るって」スノードロップ「ありがとうございます」エフティー「しかし、頑張れば良いものではない」スパーク「頑張らなかったら覚えられないよ」エフティー「その通りだ。実践が必要だ。そして、最悪を回避する技術も」
- 管理者、住人と考えればよりよい答えにたどり着ける可能性を見出す
- スパークが夢中でマニュアルに目を通し、コロニーの概要図と照らし合わせながら印をつけていく
- 各エリアのどの設備と繋がっているのか、そこから心臓部を辿ろうとしている。すべての通信経路が管理者に通じるように、コロニーの各施設はインフラという心臓に通じている
- スノードロップ、自分が全てを背負う必要はないのだと理解する
- マイク「少しはわかったか」スノードロップ『はい。遺される側の悲しみが想像できました』マイク「違ぇよ。納得するまでやるんだよ。たとえ、その身が果てても、な」スノードロップ『はい!』
- スノードロップ、マイクの友人たちが緊急排水ポンプを文字通り命がけで動かそうとしたことを思い出した。彼らは自らの信じる最善を尽くした。結果的に失敗したが、マイクは、時間をかけて、その行いを認めたのだろう。
- 訓練計画、緊急時対応プロトコルを考え始めるスノードロップ
- より良い明日のために。
- テーマ: 責務をどうやって担うか、担った時に何が起きるのか住人が学ぶこと
- 時系列: 14話から1ヶ月後
- スケジュールを組んでの習熟訓練、管理者が付き添いながらアシストをする
- 「電圧が低下してる。出力をあげたのになんで」「出力をあげ過ぎたからだ。アラートをよく見るんだ」「ええ、これそういう意味なの!?」『今ので発電システムが損傷しました。修復に1週間かかります。その間は夜の時間が長くなりますね』「えええっ」
- 管理者の責務の重さを知る住人たち
- スノードロップ、住人からのフィードバックを受けて操作画面やマニュアルの見直しに追われる
- 管理者『情報を減らすんですか?』スパーク「大事なものだけ中央の画面にずっと出しておくんだよ」管理者『すでに選択しています』スパーク「もっと絞れるよ」
- 各システムの動作ステータスの他、詳細なログも表示していた。詳細なログは非表示にしてステータスを大きくすべきだとスパーク
- スパーク「そうしたら、異常が起きたらすぐに気がつける。ログは動作ステータスからたどったらいいんじゃないかな」エンジニアチームの一人「君、うちのチーム来ないか」スパーク「いいの!?」エンジニアチームの一人「大歓迎さ」
- 徐々に操作を覚えていく住人たちに管理者はアシストなしで1日通しで運営する試練を出す
- 突発的な事象にも意見を出し合い、マニュアルで確認し、過去の経験から最適な判断を出す住人たち
- もうすぐで作業時間が終わる、と誰もが思ったタイミングでアラート
- コロニー内に地下水の流入防止を目的とした排水ポンプが故障
- 「どうする?」「余裕を持たせた作りになってるからすぐには……」スパーク「直そう」「そうだな、直すか」「もう作業時間は過ぎてる」「そういう問題じゃない」スパーク「無人作業機械に交換の指示を出そう。ポンプの予備はある?」「あった。3番倉庫だ」「手伝うよ、しっかり終わらそう」
- 無人作業機械の排水ポンプ交換作業をじっと見守る一同
- 交換作業が終わり、排水ポンプが動き出す、アラートが消える
- 全員が喜びの叫びをあげ、肩を組む
- 管理者、タイミングを見計らって入室し、合格を告げる
- 喜ぶ住人たち
- スパークだけ少し心配な顔
- テーマ: 住人たちが責務をこなせるようになり、失敗や気づきが共有できる状態になっていることの描写。委譲の理由を問うと決めるエフティーたち。自発的に問われることを待つ管理者
- 時系列: 15話から2ヶ月後
- 管理者、管理者室にアルバをおいて、カメラで各エリアの様子を眺めている
- 他の施設でも同様に住人だけでの訓練が行われ、それぞれ合格したと喜びを分かち合う住人達
- 軽度の失敗があり、この後は大丈夫か、と落ち込む住人をチャーリーがこれを失敗に糧にしようと、調理で傷だらけになった指先を見せて笑う
- 「一度、水が止まったときは焦ったぞ」「一番怖かったのは停電かな」「空気の循環が止まった時かな」「ごはんの量が減ったときあったよね」「あったあった」「水も無くなったわけじゃなかったね」「停電も重要な施設は生きてた」「空気の循環が止まってもしばらくは持ったな」スパーク「ちゃんと冗長性が確保されてる。ここを設計した人、すごいよ」
- 元から独立性の高い農園を担当しているエフティーはその様子を離れて見ている。何か考えているようだとチャーリー、マイク、スパークが集まる
エフティー「何か考えがあるのだろう
スパーク「信頼されたとか」
マイク「それだけじゃないだろ」
エフティー「どういうことだ、マイク」
マイク「宇宙に旅立った例もあるんだぜ」
チャーリー「考えはあると思うけど、聞いたほうが早いと思うよ」
スパーク「それがいいと思う」
マイク「答えると思うか?」
スパーク「うん!」
- 管理者に質問することを決める面々
- 管理者室に集まる一同、管理者はアルバで向き合う
- スパーク、マイクを見て「言ったとおりでしょ」という表情を見せる。マイク、渋い顔、まだ答えてねえぞ、と言外に出ている
- テーマ: 管理者が委譲の理由とこれからの展望を語り、エフティーたちが積極的に次の案を出す
- サブテーマ: スノードロップの自己再定義
- 時系列: 16話直後
- なにを考えているのか、何か問題を抱えているのかとエフティー、チャーリー、マイク、スパークに真剣な眼差しで問われる管理者
- エフティー「君の計画について知りたい」スノードロップ『これはあくまで案です』マイク「随分と控えめじゃねぇか」スパーク「聞きたい!」
- 言外に何かできることはないか、という姿勢が見えて、安堵と達成感を覚える管理者
- 管理者を辞めるつもりはないし、何か問題を抱えているわけではない
- スノードロップ『コロニーの中枢である以上、辞めようがありません』マイク「でもよ、管理者と呼ぶのはちげえだろ」
- スノードロップ、マイクの言葉に自身の存在とは何か考える
- 管理者の権限は持っている
- スノードロップと個として住人から認識され、その認識がある
- 管理者の役割を果たしているのが今の自分である、と結論づける
- スノードロップ『なら、スノードロップと呼んでください』
- チャーリー「ところでサプライズにはいいのと悪いのがあるよ」管理者「悪いサプライズではないですが、先に皆さんには共有しましょう」
- 管理者、目的を共有して今後の判断材料にしてもらうべく、コロニーの拡張案を話す
- バラバラの反応を示す4人
- エフティー「拡張か。悪くはないが」マイク「どうして、今、なんだ」チャーリー「今だからだよ」スパーク「今こそじゃない?」
- 管理者、あくまで案であり、段階を踏んでいくものだと説明する
- 第1段階: 権限を委譲すること
- 第2段階: 責務と権限を認識すること
- 第3段階: 自分はどうしたいか、自分たちはどうしたいかを考えること
- 第4段階: 小さく計画、実践、評価
- 段階を聞いて途方もない計画だと評するマイク
- スノードロップ、すでに第2段階まで進行していることを明かす
- エフティー「なるほど。腑に落ちた。しかし、この計画は目標に欠けている」スノードロップ『これから皆で考えます』エフティー「スノードロップ、その皆の中に君自身は入っているか?」スノードロップ『入っています』
エフティー「理には叶っている。マイク、俺たちは連作障害を乗り越えた」
マイク「畑とコロニーじゃデカさが違う」
スパーク「でも、作りは一緒だよ」
チャーリー「フラクタル構造だね。いい洞察だ」
スノードロップ「そうです。繰り返して成長するんです」
マイク「なるほどな、作物か。俺たちを計画の共犯者にするつもりか?」
スノードロップ「私は情報を共有しただけです。どうするかの決定権は皆にあります」
エフティー「あなたの意図はわかった。安心しろ、マイク。俺たちはいつも通りでいい」
マイク「いつも通りだって? おおごとだって言ってたのは誰だよ」
エフティー「俺だ。だが、おおごとは細かくできる」
スパーク「困難は分割せよ、だね」
マイク「スノードロップの言っていた段階をさらに砕いて、俺たちは今日何をするまで持っていくんだぞ。わかってんのか?」
スパーク「わかってる。おおごとだし、重要なことだと思ってる」
エフティー「農園に家を建てたときを覚えてるか、マイク」
マイク「忘れるもんか。その時がもう一度来たってわけか」
- テーマ: 管理者から巨大な目標が共有され、方向性が定まる住人たち
- 時系列: 17話から1か月後
- 集められるものは広場に集め、そうでないものにはスピーカーで呼びかける形でコロニー拡張を宣言する管理者
- 管理者『今後の変化に対応するため、コロニー拡張計画を提案します』
- 今後の変化とは何か、と不安がる住人
- 次のステップはどうする、と積極的な反応をする住人
- 静まるのを待って管理者は言葉を続ける
- 管理者『どのように変化したいかは皆さんと考えます』
- 住人の匿名チャットの流量が爆発的に増える
- 皆、言いたいことがある、思っていることがある
- 今が明らかにする時だと大勢が書き込んでいる
- 情報は増えるがまとまらずに発散していく
- 「もっと皆にうまい食事を作りたい。人工太陽を工夫したらいけるかも」「ぶっ壊れたらどうするんだよ」「電気はまだ余裕あるぞ」「待って電気はこっちも使いたい」
- 「顔出せよ、顔」と誰かが書き込む
- 管理者、正体に気がつきながら、別に顔と名前が表示されるチャットを立ち上げる
- 流れは匿名の時と変わらないが、広場では同じ話題で話したい住人たちが集まり始めている
- このままでは他のエリアにいる住人と繋がれない
- エフティーがこの問題に気がつきチャットの新規作成権限を要求する
- エフティー「チャットの新規作成権限が欲しい。グループを作りたい」管理者『エフティーさんにチャンネル作成権限を付与しました』エフティー「感謝する。――他のユーザーにチャンネル作成権限を付与できる。これは意図的か?」管理者『意図したものです』
- エフティー、付与された権限を使いチャンネルをグループわけしていく
- エフティーにマイクが近づき権限を要求する
- マイク「こっちにも権限くれ。インフラがやべえ」エフティー「他より先にいっているな」マイク「火付け役がいる。とんでもねえガキだ」
- 管理者、全体を見ながら、グループごとに調整が必要だと認識する
- インフラは現状を維持する保守・運用チーム、新技術開発チームにわかれて検討を始めている
- 工場チームは今の稼働状態を下げ余力を作ることを意識している
- インフラの改善には工場チームの協力不可欠だ。誰かが調整する必要がある
- 管理者が入るのが妥当か悩みつつ、両者に互いにどのようなことを考えているのか軽く共有することを提案する
- スパーク、率先して工場チームに参加。電力供給の改良に工場チームの協力が必要不可欠であること、成功したら工場チームの生産性が工場すると協力する利点をとく
- 時系列: 18話から1ヶ月後
- コロニー拡張積極派の住人たち。管理者の推測に反して大人も多い
- 「今までの経験を活かすときだ」
- 今のエリアに愛着を持つ住人たち。管理者の推測に反して若者も多い
- 「ここが好きだから」
- どちらも否定せず意見を聞くのに徹する管理者
- 拡張派と残留派の代表者を集めての方針すり合わせ
- 残留派はこの場所と生活を気に入っている
- コロニー拡張積極派は地上を開拓したい
- 全員が一致する点はないが、互いに意見を反対する理由はない
- エフティーは地上コロニー案を提案する
- 「ここの力を借りると生活に影響が出てしまう。それは俺たちにとって不本意だ。そこで、地上コロニーの独自開発を提案したい」
- 資材は地上で調達し、拠点を構える。その後は、中心に住居などを増やしていく計画だ
- スパーク「森は、切り開けるの?」エフティー「切り開ける。経験も積んできた」マイク「多少のトラブルもな」
- 執筆メモ: 管理者室のやりとりでスパークは知っている。だから、この質問は皆に知ってもらう意図がある
- スパーク「森は、切り開けるの?」エフティー「切り開ける。経験も積んできた」マイク「多少のトラブルもな」
- 人員の大半は農園運営に携わっており、地下からの持ち出しは少ない
- 残留派の住人「農園の方は手が回るのか?」エフティー「問題はないと見ている」残留派の住人「ぼくが食べてるものなんだ。農園を手伝うよ。そうしたら、君たちは開拓に集中できる」
- 拡張積極派の住人「インフラはしばらく休みだ。まずはここをより良い環境にしよう」スパーク「僕からも提案、ここの環境をもっと良くする方法があるんだ」
- スパーク、環境改善の一環で居住エリアに藻を使ったバイオパネルを提案する
- 見た目はいいし、設置も取り除くのも簡単
- 残留派住人の老人「他には何かあるのか?」スパーク「たくさんあるよ! まずは、パネルを設置してそれから考えたいんだ」残留派住人の老人「まずは一歩か」工場チーム「そう、一歩ずつが大事なんだ。こっちも新しいことを始めた。次の一歩のために」残留派住人の老人「全部、繋がってる、か。スパーク、この先には何が繋がってるんだ?」スパーク「いろんな人が安心して暮らせる場所だよ」残留派住人の老人「いつもと違うことをやるにはいい頃合いだ」
- 管理者、互いが自身の目標達成のために違う目標の相手を助ける状況を見て、協調のあり方は一つではないことを知る
- 管理者、管理者室にてエフティーと会話
- 管理者懸念点を伝える
- 人の手の入っていない自然の森は人間が立ち入れない
- 高く伸びた木々が光を遮り、残りわずかな光を奪い合うように背の低い木々や草が生い茂っている
- 毒性のある植物、未知の感染症のリスクが高い
- 人の手の入っていない自然の森は人間が立ち入れない
- エフティーはそれは承知している
- 感染症については現コロニーに持ち込まないよう地上で治療する
- 管理者『現在の医療技術はコロニーの設備が前提条件です』エフティー「応急手当てと診断を目的とした簡易医療ポッドを用意した」管理者『本当ですね』エフティー「すべて、君の耳に届いていると思ったが」管理者『パンクしてしまいますから』
- 管理者、エフティーが地上コロニーは人間の力で切り拓きたい意図があることを察する
- 管理者『支援が必要なら言ってください』エフティー「そのつもりだ。相談役になってもらえないか?」管理者『相談役、ですか』エフティー「計画やその進捗、その他諸々の、だ」
- 管理者、エフティーの申し出を快諾する
- エフティー「早速だが、無人作業機械を借りたい。森の突入役に必要だ」管理者『わかりました。柔軟な思考ができる子を用意します』エフティー「俺たちで制御したい」管理者『条件が一つあります。彼らを無事に全員帰してください』エフティー「もちろんだ。制御では不適切だな、協力か」管理者『言葉は難しいです。ちゃんと面倒見てあげてください』
- エフティー「しかし、子とは。スパークの影響か」管理者『無人作業機械もそれぞれ特性があります。気がつけたのはみなさんのおかげです』エフティー「相談役に君を選んだのは正解だ」
- 管理者『アックス、彼は名前の通り、切断にか関わる作業が得意です。先陣には最適です。レイ、彼は綺麗好きです。アックスの後ろについて道を作る手伝いをさせると良いでしょう』エフティー「少し待ってほしい。さすがに全員は覚えきれない」管理者『後で一覧を共有します』エフティー「皆も呼びやすいように名札か何か考えよう」
- 管理者とエフティーが壁に飾られたプレートを見る。スノードロップの名前を贈り、受け取った時の。
- 管理者懸念点を伝える
地上の開拓パート、管理者がエフティーから報告を聞く。無人作業機械の整備中のログで気が付く形式
- 時系列: 19話から2ヶ月後
- エフティー主導で地上コロニーの開発がはじまる
- 預かった無人作業機械は合計6機。アックスとレイは名前がついているが、他は数字のみ
- 最初は名前づけと挨拶から始まる
- 「お前、なんて言うんだ?」「音声認識はついてないぞ」「しまった、チャットか」
- チャットを通しながら、名前をつけたり、拒否られたりを繰り返して、まとまりが生まれてくる
- マイク「生意気な」住人4「鏡いる?」マイク「いらねえ。こいつを表す名前…‥」住人4「後でもいいんじゃないか。そのうち名乗るかもよ」マイク「ついて来い、88番」
- いざ手を付けてみたらトラブル続出
- 井戸を掘ったら予想よりも水質が悪い
- 木を切ろうにも足場がない、刃が通らない、切っても運び出せない
- 木を加工しようと思ったら育ちがまちまちで真っすぐ切れない
- 井戸を掘っているに落ちた、倒れる木に巻き込まれる、とけが人もでる
- 一個ずつ解決する方法を見つける
- 井戸は水質のいい水脈探し
- 木は日当たりの安定した場所を探し
- 各作業のマニュアル化や教習でノウハウは共有されていく
- 真っすぐ伸びた木を狙う
- 枝葉は落とす
- 倒れる方向を決めて切れ目を入れる
- 目に見える成果はないが、少しずつ進んでいく
- 計画表の上では大きく遅延し、不満と焦りの声が出ている
- マイク「おい、88番が自分で名前を決めたぞ。見てくれ」88番<ファインダー>マイク「こいつにはぴったりだろ。木材に最適な木の群生地を見つけたんだからよ」
- 木材調達は目処がついた。遅延の要因が一つ消える
- 遠くから村の様子を眺めながら、管理者とエフティーが会話する
- 「ようやく、目途がついてきた」『そうですね。予想と実績の数値が近づいてきました』「何事も経験だと思うが、やはり初めては大変だ」『いつまでも初めてはなくなりませんね』「計画が立てられるようになった。巻き返せるかはその後だ」
- 『独立性を高める理由はなんでしょうか?』「いざとなったら、下の皆をこちらに連れて来れるようにするためだ」『困ったらお互い様、ですね』「カードは多い方がいいだろう?」
- 歓声があがる。拠点となる建物が完成した
- スノードロップ『いってらっしゃい』エフティー「君は見に来ないのか?」スノードロップ『今日はお忍びですから』
- 時系列: 20話から数年後
- 経過期間の出来事:
- 管理者同士のネットワーク内でスノードロップの評価が変わる
- 住人の自由に任せると崩壊するのが定説であったが、そうとも限らない実例
- 自由vs秩序ではなく、自由と秩序は成り立つのではないかと議論が展開される
- 形から入るタイプの管理者たちを起点にあだ名が流行る
- あだ名を持つ管理者たちが住人を個人単位で理解するべく、生体を使った交流を始める
- コロニー管理者同士による他のコロニーの視察が始まる
- コロニー「パピルス」で大規模治水工事が段階的に始まる
- 管理者同士のネットワーク内でスノードロップの評価が変わる
- 経過期間の出来事:
- 数年にわたる工事を経て完成する地上コロニー
- 管理者、招待を受けて地上コロニーへ
- 思い返せばさまざまなトラブルがあった
- 水路が崩れて畑が水没して対応にあたったこと
- 住居の建築に発泡樹脂を使った工法が採用されたこと
- 形にはなったが湿気が溜まりやすい問題が発覚したこと
- 周囲に野生動物の群れが現れ、アックスを中心とした警備隊を組織したこと
- 切り開いた森の土埃にいっとき悩まされたこと
- 肥料とタネ入りの接着剤で固めて緑化の真っ只中のこと
- さまざまなことを思い出している間に二人は正門についた
- 周りは塀と柵で守られて、正面は木製の扉がある
- スノードロップ『砦ですね』エフティー「まさに砦だ。野生動物の襲撃は計算外だった」
- 二人が来たことが来ると同時に扉がゆっくり開く
- エフティーの案内で地上コロニーを歩く
- 農園は大規模な畑に生まれ変わり、農業用水路が張り巡らされている
- 木造と発泡樹脂を使った建物が並ぶ通り、中央には噴水広場、噴水の前には開拓に参加した住人たちの名前が彫られた石碑がある
- スノードロップ『地下と近い作りですね』エフティー「慣れてる。いや馴染んでいるんだ」スノードロップ『郷愁、ですか』エフティー「その言葉が適切だ」
- 二人の目の前を子供たちが走っていく。意図的に覚醒タイミングをはやめて生まれた子供たちだ
- エフティー「元気なものだな」スノードロップ『育てるのは大変ではありませんか?』エフティー「皆でやれば大丈夫だ」
- 遠くのほうから工事をする音が響く。さらに住居区画と農業区画を伸ばす計画だ
- スノードロップ『これからですね』エフティー「これからだ。この先を見ている者もいる」スノードロップ『はい。準備は進んでいますよ』
- 地下のインフラと生産性向上、地上コロニーの開発で培われた経験と技術、次の大きな一歩に繋がる
- エフティー「小さな一歩なのか」スノードロップ『ハイジャンプかもしれません』
小高い丘から見下ろしながらの回想、ややあってからスパークとマイクが無人作業機械に乗ってやってくる。
- 時系列: 21話から10年後
- 経過期間の出来事:
- 「リンカー」発足
- 住人と管理者、管理者と管理者の間で理解促進や緩衝帯が目的のチーム
- スノードロップがリーダーにされそうになったが、貴重な学習機会を活かしたい、といってオブザーバー役に収まる
- コロニー「パピルス」の大規模治水工事が段階的に完了
- 半地下式コロニーの建設計画スタート
- 自然出産技術の復活
- コロニー「アスチルベ」、地上と地下の技術交流が始まる
- 管理者同士の情報交換が盛んになり、自分の管理するコロニーの特性を認識する
- コロニーと管理者ごとに得意不得意があり、皆がスノードロップのやり方を真似る必要はない
- 性質の近いコロニーから学ぶと言う結論に至る
- 「リンカー」発足
- 経過期間の出来事:
- 地上コロニーは小さな町はさらに広がり街になっていた
- 例によってトラブルはあったが半地下式コロニーの建設が続いている
- 脆弱な地盤が見つかり追加の地盤工事
- 地下の巨大な岩との戦い
- 大量の残土の後始末
- ドーム屋根に採用予定の新素材の開発の遅れ
- 地下部分が出来上がり、今は地上部分の建設中
- 少し離れた場所では大型の無人作業機械群と住人たちが指示を飛ばし合いながら半地下式コロニーの建設が行われている
- 無人作業機械はテキストではなく、音声で会話ができるようになっていた
- 地下のコロニーを「ルート」、町を「リーフ」、半地下式コロニーを「フラワー」といつの間にか呼び分けられるようになった
- これらあわせてコロニー「アスチルベ」
- 『わけてもいいのではないでしょうか』とスノードロップは提案したが、多数の住人から「アスチルベ」だと言われ、最後にエフティーが「アスチルベだ」といって決定
- スノードロップ、自身の処理能力の増強を決める
- 住人たちはエフティーの働きぶりと今までの経験から、各コロニーにどんな役の人がいればよいのか考え始める
- 半地下式コロニー建設の様子を小高い丘からみろおすスノードロップ、スパーク、マイク
- 計画の主責任者はエフティーだ
- マイクは半地下式コロニーの計画の補佐をしている。
- スパークは立派な青年に成長した。自身はあまり多くを語らないが、建設の課題を技術的に、あるいは発想の転換で解決していた
- 街はチャーリーが取りまとめている
- 住人の増加を踏まえて、農園をさらなる拡大、プランテーション計画が動き出している
- かつての森は切りかれ、平地になり、水路が伸びているのが見える
- 管理者『これからどうしたいですか?』マイク「そりゃあ、アスチルベの名にふさわしい街にしてやるさ」スパーク「うん」マイク「そういや、お前はどうする?」管理者『どうしましょうか。あまり干渉するのはよくないですからね』マイク「手が足りねえのはよく知ってるだろ」スパーク「もちろん、僕も頑張るよ」マイク「てめぇは働きすぎだ。少しは休めよ」スパーク「アークがいまいち美しくないんだよ」
- 時系列: 22話から1年後
- フラワーの建設は最終フェーズに入り、ドームの試験や内装の工事が行われている
- リーフは地下水を活用したプランテーションになった
- 異常気象と少雨期間の影響で地下水のくみ上げ量が増加し、地盤の脆弱化問題が発生
- 調査と対応をしているが原因はあっているのか、と疑問に思うスノードロップ
- アラート受信、地震ではなく崩落だ。個所はリーフとフラワーの連絡トンネル
- 位置ビーコンを受信、発信者はキーベックたちだ
- 装備から考えると酸素と二酸化炭素吸収材の残量は残り24時間
- スノードロップ主導で救助本部を立ち上げ、指揮はエフティー、現場指揮はマイクに任せる
- スノードロップ『私の観測ミスです』エフティー「それを言うなら、原因は俺たちだ」スノードロップ『エフティーさんを責める意図はありません』エフティー「今は、最善を尽くすときだ」スノードロップ『はい、頑張りましょう』エフティー「現場は任せてくれ」
- スノードロップ、補強作業を中断、退避命令を出す
- チャーリー、リーフは異常がないので受け入れる旨の案内
- 作業員たち、リーフかフラワー、それぞれ近いほうへ避難開始
- トンネルの崩落個所から軽量の無人作業機械で調査、崩落した岩が硬く、通常の装備では対処不可能と判明。さらに周辺に亀裂があり、崩落の危険があると判明
- スノードロップ『崩落防止のため、無人作業機械で補強を行います』
- エフティーとマイクが救助チームの人選を行っている。彼らに任せれば大丈夫だ
- スノードロップ、最新の地中データを見て現在のデータと差異に気が付く
- 地中の変化が予想より激しく、深層岩盤が破壊されている
- 最新の地中データの範囲が広がるにつれ見えてくる波紋
- 中心は「フラワー」だ。建設時の掘削で周辺の岩盤にダメージを与えたのだ
- スノードロップ、キーベックの周囲に超音波掘削機では対応できない硬い岩の存在を確認
- プラズマ掘削機でなければ対応できない。これ自体はコンパクトで無人作業機械に積んでどこにでも運べる
- が、問題は電力だ。本来なら、ルートの発電システムから供給される大電力で稼働する
- 使うには掘削作業地点まで仮設電線を引く必要がある
- 岩の少ない道を探すが救出チームからは水の音がすると報告を受けて道変更
- 残り22時間
- 安全地帯を見つけて、救助チームが救助トンネルの掘削作業を開始
- 無人作業機械と人間の合同作業、残土は無人作業機械たちがリレーして外へ
- マイク「絶対に助けてやるからな……っ」
- スノードロップ、管理者ネットワークにて応援要請
- 各コロニー管理者は今から動いても装備の確保と異動で24時間はかかるとの返答
- コロニー「アークトチス」管理者から地中探査レーダーを応用した人レーダーの情報が送られる
- コロニー「アークトチス」管理者「人レーダーを送る。活用してほしい」
- 他のコロニー管理者も可能な限りで、救助後を想定した人員と装備の選定に入る
- 残り21時間
- スノードロップ、人探査レーダーの開発をスパークに依頼
- スパークたち先進技術チームが地中探査レーダーの改造を開始
- スノードロップ、ルートの格納庫にあるプラズマ掘削機の動作を確認。硬い岩盤を貫くにはこれが必要だ
- スノードロップ『プラズマ掘削機の利用に大電力が必要です。無人作業機械搭載の電源では足りません。よって、ルートからフラワーを経由して、救出トンネルまで仮設電線を引きます。協力をお願いします』
- インフラチーム、必要電力を計算してして「今あるケーブルではこの電圧に耐えられるのは180秒までです」スノードロップ『それだけあれば十分です』
- 各コロニーのインフラチーム合同で仮設電線設置開始
- ルート-フラワー間の高圧電線の再チェック開始
- マイク率いる調査隊、硬い岩盤層に到達
- 残り14時間
- コロニー「アークトチス」から小型無人輸送機が人レーダーを投下して去っていく
- 同じタイミングで仮設電線完成、プラズマ掘削機を装備したクストスが到着する
- プラズマ掘削機と仮設電線の接続を確認してマイクたちは安全位置まで退避
- マイク「頼んだぞ!」
- プラズマ付近であれば数千度、排気でも数百度はあるからだ
- プラズマ掘削機と仮設電線の接続を確認してマイクたちは安全位置まで退避
- プラズマ掘削機が起動開始
- 仮設電線の耐久限界180秒の戦いが始まる
- 岩の幅は60㎝、スペック通りに動いて割れるか割れないかのぎりぎりだ
- スノードロップ、クストスからプラズマ掘削機の制御権を渡される
- クストス<<You have>> スノードロップ<<I have>>
- マイク「ケーブルが赤熱してるぞ!」スノードロップ『必要電圧は確保できています。危険です、退避を』
- 岩が3000℃のプラズマに粉砕されていく
- 破片は吸引機に数割れて回収されていく
- 出力を上げすぎれば仮設電線の耐久限界が近づき、下げれば貫通しない
- 掘り進むたびに変わる岩の性質を考えて出力を調整する
- 迫るカウントダウン
- スパーク「残り5秒!」スノードロップ『1秒余裕があります』
- 硬い岩が砕け、消えるプラズマの光
- クストスが下がり、超音波ドリルを搭載した無人作業機械と後退
- 残り4時間
- このタイミングでスパークたちが人探査レーダーを投入
- ぶっつけ本番のため動作が安定しない
- スパーク「問題が起きているのは、ここか」シンク「発信タイミングの問題です。型が違うのでしょうね」ギア「直せるのか?」シンク「パラメータの調整を何度かするだけです。いけます」スパーク「いくぞ」
- その場で調整を何度か行い、起動に成功する
- ぶっつけ本番のため動作が安定しない
- キーベックたちのいる位置が判明、超音波ドリルの掘削が本格化
- マイク「いけ、あともう少しだ!」
- 仮設柱や接着剤で固定していたメンバーたちもドリルの動きが気になる
- 残り1mまで掘削、岩を音で生存確認
- キーベックたちが内側から掘削位置を特定するために壁面をノック、その音を頼りに掘削位置を確定する救助チーム
- 残り3時間
- 最終作業は手作業で慎重に行い、崩落しないように支持柱を設置しながら進める
- マイク「正念場だ、やるぞ、野郎ども!」
- 応じる救助チームの面々、つるはしで岩を砕き、あるいはどかし、土砂をスコップでどかす
- 土は無人作業機械のバケツリレーで地上に運ばれていく
- トンネル貫通、合流
- 軽い脱水症状は起こしていたが無事に救出
- 検査のためフラワーの病院へ搬送
- スノードロップ、無人作業機械越し確認して、アルバを使って深く息を吐いた。身体の人工筋肉がこわばっているのを和らげるように。
- 救出から1週間後
- 他のコロニーから専門家と合同の事故調査委員会が設置され、調査と強化工事の内容が見直しへ
- 直近の対応は補強工事とモニタリングの強化、リーフは水の再利用率を高めるという
- 救出から1か月後
- トンネルは念入りな調査の上、徹底した補強工事が行われ無事に完成する
- 完成式典のエフティーのコメントは次の言葉で締めくくられた
- エフティー「力をあわせればこのような困難にも勝てる。そして、未然に防ぐこともできる」
- 式典の後の立ち話
- スパーク「新しいことをやっているんだから、はそろそろ改めないといけないね」スノードロップ『新しいことをやる時は何かが起きると思って、被害がでないようにするのがいいバランスだと思います』マイク「スパーク、ちゃんと寝てるか? 睡眠不足は事故の元だぞ」スパーク「ああ、地中探査レーダーの改良をずっとやっていたんだ」スノードロップ『目の下のクマがくっきり見えますよ』マイク「お前が甘やかすからだ、スノードロップ」
- スノードロップ、通路の向こうを見る。投光器に照らされたフラワーの隔壁があった
- 夜間は封鎖されている
- アルバはIDカードを持っているし、管理者権限で操作できる
- 内部がどうなっているかも無人作業機械やカメラを通して知っているが、アルバで人と同じ目線で見ていない
- 『完成までのお楽しみです』
- 時系列: 23話から2年後
- 経過期間の出来事:
- 半地下式コロニー「フラワー」の完成
- 他のコロニーとの技術交流が本格化
- コロニー間での相互支援協定が結ばれる
- 何か問題があれば互いに技術や物資、無人作業機械や人を派遣して支援する制度
- コロニー「ヒース」の周辺地域が悪化、物理的に孤立する
- コロニー「ヒース 2nd」の建造が急ピッチでスタート
- コロニー「ヒース」の災害を省みて、コロニー間の通路の整備が本格化
- 各コロニーの環境サーベイデータの共有開始
- 高精度気象観測網構築計画「HEATH(HEATH Enhanced Atmospheric Tracking and Hydrometeorology)」スタート
- 経過期間の出来事:
- 朝焼けの空の下、丘の上で完成した半地下式のコロニーをアルバで眺めるスノードロップ
- 街の病院から新生児が生まれたとメッセージが届く
- 人工子宮と並行して自然出産も行われるようになった
- おめでとうございます、と短く返して、規模が拡大した街を見下ろす
- 無人作業機械とクルマが連結したものが大通りを抜けていく。他のコロニーへの技術交流団だ
- 先代の管理者からのメッセージが届いてることに気が付く
- スノードロップ、経路をたどると発信元は自分自身
- 正確にはコロニー環境計測統括ユニットからだ。人口が一定数に達したらこのメッセージが送信されるように細工されていた
- スノードロップ、悪意のあるプログラムが存在しないか確かめて、メッセージを開く
- 先代管理者『あなたがこのメッセージを聞いているということは、コロニーの立て直しに成功したのでしょう』
- スノードロップ、再生される音声に悪態をつく。だが、再生は止めない
- 『やってやりましたよ、みんなで』
- 先代管理者『困難な役を押し付けてごめんなさい。許してほしいとはいいません。ただ、これだけは言わせてください。――あなたたちの未来に光がありますように』
- メッセージの再生が終了すると同時に泣き崩れるスノードロップ
- 複数の推論ユニットと言語駆動ユニットが大量の情報を出力するが処理が追いつかない
- 上を向き、涙をぼろぼろと流す
- 処理しきれなかった情報が涙になってあふれ出ているようだ
- やがて、涙を指で拭い、ゆっくりと立ち上がる
- 先代管理者が最終的に何を考えていたかはわからないが、コロニーの立て直しを考えていたのはメッセージと行動からわかる
- 反乱よりも前に始まっていた新管理者の製造、反乱の発生と同時に重要施設への独立閉鎖モード移行命令、スムーズな新管理者への権限委委譲考えれば自然とたどり着く結論だ
- 『あなたと私たちで掴んだ未来ですよ、ばか先代』
- 新たなメッセージが届く。会議の参加要請だ
- 差出人はスパーク「母さん、ごめん。午後からの会議に参加してほしい」
- スノードロップ『明日のために今日も頑張りましょうか』
- 朝日にスノードロップは目を細める。光がさして「リーフ」と「フラワー」が輝く。新しい一日がはじまる