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Gauche-gl の Windows 上でのインストール手順のメモです。
(情報が古くなっている可能性があります)
Gauche-gl は、Gauche から OpenGL を使用するための拡張ライブラリです。
Windows 11 24H2 (64bit) で作業しました。 -
以下の記述は、MSYS2/MinGW-w64 UCRT64 (64bit) の開発環境でのコンパイル手順となっています。
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UCRT (ユニバーサル C ランタイム) は、マイクロソフトの新しい C ランタイムライブラリです。
MSYS2/MinGW-w64 UCRT64 (64bit) は、この UCRT を利用するバイナリを作成します。
UCRT は、Windows 10 以後ではデフォルトで入っていますが、
それより古い Windows では、インストールが必要のようです。(詳細未確認)
これまでの MSVCRT との違いは、
https://www.msys2.org/docs/environments/
の「MSVCRT vs UCRT」に記載されています。 -
<<<現在、Gauche v0.9.15 の Windows用バイナリインストーラ には、
Gauche-gl の最新版が含まれています。このため、以下のインストールを行わなくても、
Gauche-gl を使用できます (2025-8-17) >>>
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事前準備
事前に、Gauche および開発環境がインストールされている必要があります。
Gauche については、以下のページに Windows用バイナリインストーラ があるので、インストールを実施ください。
http://practical-scheme.net/gauche/download-j.html
(すでにインストール済みであれば本手順は不要です)また、開発環境については、MSYS2/MinGW-w64 UCRT64 (64bit) の開発環境が必要です。
以下のページを参考に インストールを実施ください。
https://gist.github.com/Hamayama/7810d2a1a59a872a2fbc271345151f77
(すでにインストール済みであれば本手順は不要です)
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Gauche-gl のソースのダウンロード
Gauche-gl の GitHub のページ
https://github.com/shirok/Gauche-gl
から、ソースを([Code] - [Download Zip] ボタン等で)ダウンロードして、作業用のフォルダに展開してください。
例えば、作業用のフォルダを c:\work とすると、
c:\work\Gauche-gl の下にファイル一式が配置されるように展開してください。
(注意) 作業用フォルダのパスには、空白を入れないようにしてください。
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コンパイルとインストール
<MSYS2/MinGW-w64 UCRT64 (64bit) 環境>
プログラムメニューから MSYS2 の UCRT64 Shell を起動して、以下のコマンドを実行してください。
( c:\work にソースを展開した場合)cd /c/work/Gauche-gl ./DIST gen ./configure make make install make check(注意) 環境によっては、make install を実行すると
「gauche-install: no write permission of ...」というエラーが発生します。
このエラーは、インストール先のフォルダに書き込み権限がないとき等に発生します。
その場合には、プログラムメニューからの開発環境の起動時に右クリックして、
「管理者として実行」を選択してください。
そして再度上記のコマンドを実行してください。
- 以上です。
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Gauche-gl のソースの examples フォルダに 実行可能なサンプルがあります。
また、以下のページにも 実行可能なサンプルがあります。
https://github.com/Hamayama/Gauche-gl-examples -
Gauche-gl の glut-main-loop を使用しているプログラムで、コールバック内でエラーを起こすと、
Gauche が異常終了します。
これは、glut-main-loop が exit 以外で止められないことが原因と思われます。
対策としては、glut-main-loop のところで以下のようにエラーをトラップするようにすれば、
正常に終了するようにできます。(guard (ex (else (report-error ex) (exit 1))) (glut-main-loop))
(2025-8-17)