できたもの

Next.js 視点で leptos のチュートリアル https://book.leptos.dev/01_introduction.html でなぞって、評価して。
Leptos は Rust で書かれたフルスタック Web フレームワークです。React/Next.js 開発者の視点から、Leptos の特徴と違いを比較してみましょう。
項目 | Leptos | Next.js |
---|---|---|
言語 | Rust | JavaScript/TypeScript |
パッケージマネージャー | Cargo | npm/yarn/pnpm |
ビルドツール | cargo-leptos | Webpack/Turbopack |
型安全性 | コンパイル時の完全な型チェック | TypeScript による型チェック |
Leptos: Fine-grained reactivity(細粒度リアクティビティ)
- Solid.js に似たリアクティブシステム
- 仮想 DOM を使わず、直接 DOM を更新
- シグナルベースの状態管理
Next.js: 仮想 DOM ベース
- React の仮想 DOM による差分更新
- useState/useReducer による状態管理
- React Server Components による新しいアプローチ
Leptos:
cargo-leptos
による統合ツール- 非同期レンダリングと複数の SSR モード
- ハイドレーションバグへの対策が組み込まれている
Next.js:
getServerSideProps
や App Router の Server Components- ISR(Incremental Static Regeneration)のサポート
- Edge Runtime での実行可能
両フレームワークとも CSR をサポートしていますが、アプローチが異なります:
Leptos:
// Leptos のリアクティブな例
let (count, set_count) = create_signal(0);
view! {
<button on:click=move |_| set_count.update(|n| *n += 1)>
"Count: " {count}
</button>
}
Next.js:
// Next.js (React) の例
const [count, setCount] = useState(0);
return (
<button onClick={() => setCount(count + 1)}>
Count: {count}
</button>
);
- URL のパスとクエリを中心に設計
- グローバル状態管理の中核として機能
- 動的ルーティングとネストルーティングをサポート
- ファイルシステムベースのルーティング
- App Router では layouts と loading 状態の組み込みサポート
- 並列ルートとインターセプトルートなどの高度な機能
- Server Functions による型安全な RPC
- Resources と Suspense による非同期データ処理
- Rust の型システムによる完全な型安全性
fetch
API with caching- Server Actions (App Router)
- API Routes による柔軟なバックエンド実装
- WASM によるネイティブに近いパフォーマンス
- Fine-grained reactivity による最小限の DOM 更新
- コンパイル時の最適化
- JavaScript エコシステムの成熟した最適化ツール
- 自動的なコード分割とプリフェッチ
- Edge Runtime での軽量実行
// 型安全性が言語レベルで保証される
#[component]
fn App() -> impl IntoView {
view! {
<h1>"Hello, Leptos!"</h1>
}
}
// TypeScript による型チェック
export default function App() {
return <h1>Hello, Next.js!</h1>
}
- Rust エコシステムを活用したい
- 最大限の型安全性とパフォーマンスが必要
- Fine-grained reactivity のモデルを好む
- WASM の利点を活かしたい
- JavaScript/TypeScript のエコシステムを活用したい
- 豊富なサードパーティライブラリが必要
- チームが React に精通している
- Vercel のエコシステムを活用したい
Leptos は Rust の強力な型システムとパフォーマンスを Web 開発に持ち込む野心的なフレームワークです。Next.js 開発者にとっては、学習曲線は急ですが、型安全性とパフォーマンスの面で大きなメリットがあります。
特に、以下のような場合は Leptos の採用を検討する価値があります:
- 高パフォーマンスが要求されるアプリケーション
- Rust でフルスタック開発を行いたい場合
- Fine-grained reactivity のモデルに興味がある場合
一方で、既存の JavaScript エコシステムとの統合や、チームのスキルセットを考慮すると、多くの場合 Next.js の方が実用的な選択となるでしょう。
両フレームワークとも活発に開発が進んでおり、Web 開発の未来を形作る重要な技術です。プロジェクトの要件とチームの状況に応じて、適切な選択をすることが重要です。